アスベスト分析について

アスベスト分析方法

石綿障害予防規則に基づく事前調査の分析については、「JIS A 1481 規格群」をベースとしつつ、厚生労働省「石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル」に留意することとされています。
JIS A 1481 規格群にはアスベスト含有の有無を判定する定性分析とアスベスト含有率を算出する定量方法があります。

弊社では、下記の理由により定性分析方法 1(JIS A 1481-1)を採用しています。

  • 試料採取量が少量でも精度よく分析可能。
  • 層別に分析が行えるため、最適な除去工法を選択可能。
  • アスベスト含有時に定量分析を行わずに推定含有量を報告。
  • 天然鉱物を含む試料(配管保温材やアスファルト防水等)も分析可能。
アスベスト分析
マニュアル
対応するJIS A 1481
の規格群
試料採取量 特徴
定性分析方法 1
(偏光顕微鏡法)
JIS A 1481-1 吹付け材等については10cm3、成形板等は1cm3で分析可能
成分が均一な建材は1箇所の試料で十分とされる
実体顕微鏡と偏光顕微鏡により定性分析する方法
層別(仕上塗材、下地調整材等)に分析が可能で最適な除去工法を選択可能
アスベスト含有時に推定含有率を報告。
配管保温材やアスファルト防水等の天然鉱物を含む試料の分析が可能
定性分析方法 2
(X線回折分析法・
位相差分散顕微鏡法)
JIS A 1481-2 吹付け材等については10cm3、成形板等は 100cm2または 10cm3
3箇所以上ずつ試料を採取し、等量混合
X線回折分析法と位相差分散顕微鏡法を併用した定性分析方法で判定基準に基づいて石綿含有の有無を判断する方法
試料を均一化して分析を行ため層別分析不可
天然鉱物は分析対象外
定量分析方法 1
(X線回折分析法)
JIS A 1481-3,5 JIS A 1481-3は定性分析方法 2、JIS A 1481-5は定性分析方法 1に準ずる X線回折分析法による定量分析方法で石綿の質量を定量し、試料全体に対する石綿の質量百分率(%)を求める方法
定量分析方法 2
(偏光顕微鏡法)
JIS A 1481-4 成分が均一な建材は1箇所の試料で十分とされる 重量法および偏光顕微鏡を用いたポイントカウンティング法による定量分析方法
定性分析方法 3
(電子顕微鏡法)
JIS A 1481-1 ,2 で特定の場合に実施を推奨 電子顕微鏡法による補助的な定性分析方法
繊維形態観察と元素分析によりアスベストを同定

参考)石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル、建築物石綿含有建材調査者講習標準テキスト

定性分析法1(JIS A 1481-1)の
分析フロー

① 肉眼での予備検査

試料の均一性、層構造、状態、色を確認

② 試料調整

非アスベスト成分を除去するために、必要に応じて灰化処理・酸処理・浮遊沈降を行う

③ 実体顕微鏡検査

繊維の有無、繊維の種類を仮同定

④ 前処理

繊維を露出させ、付着物を取り除くために、必要に応じて試料の分割、切削、粉砕、有機溶剤処理、灰化処理、酸処理を行う

⑤ 偏光顕微鏡用標本の作製

実体顕微鏡観察結果を基に浸液を選定

⑥ 偏光顕微鏡による同定

光学的特性に基づいて繊維の同定

⑦ その他偏光顕微鏡以外による同定

偏光顕微鏡法での観察で疑義が生じた試料は、走査電子顕微鏡(SEM)またはX線回折法(XRD)で同定を行う

報告書見本

報告書例
報告書例

使用機器

偏光・位相差分散顕微鏡

形態や光学的性質によりアスベストを同定します。
(JIS A 1481-1,2,3で使用)

X線回折装置(XRD)

X線を用いた構造解析により結晶構造からアスベストを同定・定量します。
(JIS A 1481-2,3で使用)

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